ネルヒモのブログ

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うみねこのなく頃に、二次創作「第一のゲーム終了後」

うみねこのなく頃に、の二次創作です。

第一のゲーム終了後
「そう、誰にも無理だ。生きている誰にもな。」
「戦人、言ってる意味が分かんねーぜ。」
「だから、ベアトリーチェだよ。見ても分からないの?」
「そうか、僕にもわかった。最初の殺人でわざと凄惨に6人も殺されたんだ。その中に偽物の死体が紛れ込んでいた。」
「譲治兄貴、そうだぜ。あの、はあ、ぐちゃぐちゃの遺体をまじまじと調べたくないからな。」

夏妃を銃で撃った魔女の格好の人物は黙っている。
戦人は肖像画の魔女を殴りつけた。
ずるりと魔女の髪の毛が落ちた。それはカツラだった。
「駄目ですね、少女の夢を壊していけませんよ、戦人様」
戦人、譲治、朱志香、真里亞は呆然としていた。
そこに立っていたのは死んだはずの使用人の紗音だったからだ。
「うー。紗音がベアトリーチェ? ベアトリーチェが紗音?」
「紗音がなんで、なんで……」
「てめーが、てめーがみんなを殺したのか! 答えろ、紗音!」
「黄金のベアトリーチェ、いや紗音。これだけの大量殺人をした理由を答えろ!」

紗音は不気味に笑うと、オペラのプリマ・ドンナの如く語りだした。
「右代宮なんていうこんな家系は滅べばいい。福音の家は金蔵の相手をする若き娼婦、男娼を選ぶ機関。断れば他の福音の家の子に罰が下る。人質がいるから断れない。金蔵を殺そうと計画を立てたが先に寿命で死んでしまった。だから、息子たちに復讐しようと考えた、そして私は成功させた。」
「僕との恋愛は嘘だったんだね、紗音。」
「私があなたを手駒に加える事が出来れば、もっと簡単だったんだけどね。あなたは優しすぎる。どう言いくるめても殺人を手助けなどしない。絵羽家の内情を色々と知れたから収穫はあったけど。最初の殺人、碑文に見立ててやったのよ。紅茶に毒を混ぜてね。白熱した親族会議は長く続き、喉が渇くのは当然でしょうね。」
「もし、源次さんがシフト変更せずゲストハウス勤務だったらどうするつもりだったんだ?」
「そもそも屋敷のシフトの使用人は郷田さんしかいない。何とでも誤魔化せる。私は死ぬんだから。」
「それじゃあ、母さんの部屋の変な汚れは何の意味があるんだぜ? みんな殺せばいいじゃないか、もったいぶらずに!」
「碑文を血に濡れた見立てにしてやった。金蔵の相手は単に体を差し出す事だけではない。金蔵に黒魔術の勉強も教えられた。まるで漢字練習の様に魔法陣も書かされた。それにのってやっただけ。」
「とにかく、観念するだな。その銃は熊沢さん、源次さん、南條先生、夏妃伯母さん、弾はあっても一発しか残ってない。俺と譲治の兄貴がいるんだ。一発では二人は殺せないぞ。」
紗音は踊り場から銃を投げ捨てた。降参をしたのだろうか。
「もうすぐ、24時。タイムオーバー。要は時間稼ぎさえできれば良かった。ほら、秒針が12を通る。これでみんなお終い。屋敷に仕掛けた時限爆弾が爆発して全て終わり。ゲームオーバーなのよ。」
一同は固唾を飲んで時計を見た。しかし爆発は起きなかった。
「どうして! 爆弾はセットした。どうして爆発しないの」
「きひひひ。真里亞は本当の魔女だってずって言っているのに誰も信じない。だから魔法を使ったんだよ。」
すっと人影が現れた。生きている人間は全員いるのだ。死んだ人間が生き返ったなんていうのか。
「全く、親父にも困ったもんだぜ。ただ俺達には関係ないだろうに。」
そこに立っていたのは留弗夫だった。死んだはずの留弗夫がそこにいた。顔はぐちゃぐちゃだったが声は確実に留弗夫だった。
「真里亞ちゃんのおかげで何とか動けるようになったぜ。たまたま貰った反魂のお守りが役に立つとは。もう大丈夫だ。爆弾は海に全て捨てた。後は台風が去るのを待つだけだ。」
真里亞は留弗夫が「殺される」と話していたの聞きお守りを渡したのだった。その効果で何とか死んだものの生き返ったのだった。
「留弗夫伯父さんには見回りをしてもらってたの。爆弾が見つかって本当に良かった。死んだ人が動いたらびっくりするから、裏方にまわってもらってたの。真里亞偉いでしょ。」
「真里亞のお守りスゲーな。」
そして、この事件は解決した。台風が去る頃には留弗夫はお守りの効果が切れて動かなくなった。
紗音は罪を認め警察に引き渡されたのだった。

一件落着。終わり。