ネルヒモのブログ

最近はウマ娘にはまってます。坂スキルを検証中

Starting Over ~とある生徒会役員の奮闘~の感想(ジャンプスクエアクラウン)

ジャンプスクエアクラウンの感想
Starting Over ~とある生徒会役員の奮闘~
長谷川直紀

絵が上手い。女の子が可愛い。変形コマが多すぎるのが気になる。
変形コマを使っている割に見やすい。でも使いすぎ。

うーん、何だろう。全体的に間違ってないんだけど薄味と言うと何というか。
主人公の特徴があまりない(可愛いが)
ヒロインの特徴があまりない(可愛いが)

 ひねりがなさすぎるのがちょっと惜しい。捻り過ぎて訳わかんなくなるよりマシだけど。
作品のテーマが弱いんだと思う。要は俺の考えた最強のヒロイン! という意思があまり感じられないのだ。
 約40ページを使った割に主人公とヒロインがどういう奴なのか、魅力が伝わってこない。
要はこだわりや個性と言うか作家性が余り滲んでいない。これはこういう子が好きなんだとか、こういうシーンが萌えるんだという何かの主張として伝わってないのだ。

 男と女を意識したシーンが少ないのもマイナス。例えば、最初のヒロインに助け舟を出されるシーンは男なのに女に助けられて情けないとか、そういう発想はないのだろうか。しきりにヒロインにふさわしい男になるんだと主人公は言っているが、ヒロインに助けてもらって、悔しがらないのだろうか。(この辺はさじ加減ではあるんだけど)

 全体の流れからしたら、主人公がへたれで告白出来ない。さあどうする?
弱い主人公がどうなるのが正解なのだろうか。
強くなるパターン→今回がそれ。何かをきっかけに自信を持つ。そして、それをきっかけに告白する。
弱さを認めるパターン→自分の弱さを受け入れて成長する。主に何かを言い訳したりして認めていない場合が多い。何かから逃げているので、それを止める。

ヒロインを捻る
あくまでヒロインをひねる必要はない。なぜなら、作者のこだわりが完璧女生徒会長であるなら、それを上手く読者に伝えるだけだ。
ただしこの作品ではそれがあまり伝わってこなかった。

生徒会がどういう物か分かりづらい。学校と生徒会という舞台を作った以上、上手く活用したい。

とっても気になった点
「授業の内容は生徒会長と相談して決めていたんだ」風邪で生徒会長が休んだ時の先生のセリフ。
適当すぎませんか? 問題を起こすにしてももうちょっと考えよう。このへんが全体的に雑。

この話は男主人公メインの話なのだが、何かがしっくりこない。絵は上手いし、コマ割も変ではない。

俺は『弱さを認めるパターン』で行く方が分かり易くかったと思う。

俺がこの系統で話を作るなら
 主人公二年生。憧れの生徒会長(三年生)に一目ぼれした。それなのに、自分は失敗も多く生徒会長にふさわしくない男なのだ。
 この前も失敗して、生徒会長に助け舟を出された。情けない話だ。何か自分は頑張っているのに上手くいかない事が多い気がする。
 主人公は目撃してしまった、次々と告白していく男子生徒達。全員が撃沈である。やはり、会長は高根の花だ。あの人気のある男子(女子人気ナンバー1)も振られた。
 俺は会長を遠目で眺める事しかできないのだろうか。受験があるので会長の任期は10月までだ。もう時間がない。(タイムリミットで主人公をせっぱ詰まらせる、決断を余儀なくさせる)生徒会に入っているからまだ会長と関わりがある。
(例えば主人公の姉を登場させて、)相談する。<シナリオ上、自分の弱さに気付くイベントを用意>
 姉に「あんたは昔からへたれでアホでしょ。今更、生徒会長に釣り合う男になるのは無理。あんたの良さは何? 粘り強さでしょ。失敗しても諦めないで何度も出来るまでチャレンジする。今回はチャレンジすらしてないじゃない。そんな事じゃどうにもならないでしょ。」
 ここで主人公は気づく。告白する事に臆病になっている自分に気付く。振られることが怖かったのだ。会長にふさわしくないとか、いろいろな理由をつけて告白しようとしなかった。
当たって砕けろの精神だ。勇気を出すんだ。
 そして何だかんだあって、主人公は告白。実は会長は主人公の事が好きだったのだ。失敗はするもののひたむきに努力して少しずつ成長している主人公を見ていたとの事。告白してくれるのを待っていたとの事。だから、他の生徒からの告白を断っていたのだった。
めでたしめでたし。

それを実際の漫画にするのは難しいんだけど。
 この主人公がふさわしくないって言ってるのは、告白する事に臆病になっているいい訳だと思うんだよね。告白できない理由をわざわざ探しているというか。そこを活かした感じです。

 女の子メインで行くなら、完璧だけど裏の顔がある。それを受け入れられるか、そういうのもありがちだけど、好きです。
アマガミの絢辻さんが例です。